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2013年1月 1日 (火)

LAST AUTUMN'S DREAM/Ten Tangerine Tales

今年もこの季節がやってきました。

LAST AUTUMN'S DREAMの新譜が今年も登場。

ついに10年連続リリース10作目。

LAST AUTUMN'S DREAM/Ten Tangerine Talesです。

Lad_10th

LAST AUTUMN'S DREAM(以下、LAD)は作曲のイニシアチブ、
音楽性から2つに大別出来るように思います。

すなわち、1st~6th「Dreamcatcher」までの゛ミカエルLAD゛、
「Yes」以降の゛ジェイミーLAD゛
そして、両者の架け橋となるのが7th「A Touch Of Heaven」です。

゛ミカエルLAD゛の特徴は過去のレヴューで
かなりしつこく言及してますが、今回も言及します(^^;

Voのミカエル・アーランドソンのペンによる、
冷涼な哀愁が満載の、それでいて鬱に踏み込まない、
ポジティヴなフィーリングがある楽曲を中心に据え、
そこにジェイミーやミカエルによる、
暖かみのあるPOPTuneを付与した構成に特徴がありました。

そしてこの、哀愁TuneとPOP Tuneの落差、寒暖の差が、
真冬の朝、暖かい毛布にくるまってまどろんでいるような感覚を
私に与えてくれ、そこに最大の魅力を感じていました。

この゛ミカエルLAD゛の最高峰が3rd「Winter In Paradice」だと思います

一方、゛ジェイミーLAD゛の特徴は
Drのジェイミー・ボーガーのペンによる
胸がキュンとするような甘酸っぱい感覚を与えてくれる、
ちょっと切なくも、心躍るPOP Tuneを中心に据え、
そこにミカエルによる同傾向の、
しかしちょっとした捻りの効いたPOP Tuneや
心温まる゛おやすみなさいバラード゛が付与された構成に
特徴があります。

そして、もうひとつ特徴的なのが、
曲の持つフィーリングに、
ジュークボックスから流れてくるオールディーズソングのような
どこか懐かしい、ほっとするニュアンスを感じる点です。
そのせいか、゛ジェイミーLAD゛には
クリスマスアルバムっぽさを強く感じます。

この゛ジェイミーLAD゛の最高峰は「Yes」だと思います。

両者の架け橋となるのが A Touch Of Heaven」と述べましたが、
文字どおり、両者の音楽性がブレンドされた、過渡期といえる、
ターニングポイントとなった作品と感じます。

さて、前置きが長くなりましたが、新作、Ten Tangerine Talesです。

まさに゛ジェイミーLAD゛の特徴に則った、
胸がキュンとするようなちょっと切なくも、心躍る、
POP Tuneが満載です。

もう1つ、特徴的なのが全体にリズミックな仕上がりな
印象を受ける点です。
ナリー・ポールソンのBラインが素晴らしい。

彼の歌心溢れる動きの多いプレイを起点に
リズムGとDrが展開しているように感じます。

マルセルのBが゛グルーヴィー゛と形容出来るのに対し
ナリーのプレイは゛メロディアス゛といえるように思います。

リズムGを担当するピーター・パック・ソダーストロムが
今回からメンバーショットに、サブ的とはいえ、
画像入りで掲載されているのも、
このリズミックな作風に変化した事と、もしかしたら、関係があるかもしれません。

ジェイミー作の #4 For You  、#5 Preludium-The Men I Used To Be、
#6 I Will See Thruの3連発がとにかく強力です。
切なくも心温まるメロディとアレンジが素晴らしい。

#4 For Youは8分刻みのピアノと下降コード進行による
心の琴線に触れるメロディが、
#5 Preludium-The Men I Used To Beの冒頭のチェロのソロと
これぞジェイミー節といえる希望が湧いてくるアップテンポなメロディ、
#6 I Will See Thruの冒頭のクリスマスっぽいアカペラコーラス、
懐かしい響きのオルガンサウンドのkey、
切なくも心温まるメロディが、非常に印象的です。

#6 I Will See Thruはアレンジの方向性はかなり異なるものの、
楽曲の質感は3rdの名曲、
The Way You Smileに通じるものを感じる曲だと感じました。

ミカエル作の曲も今回も外しませんね、流石です。
#9New York Rain、#12My Final Love Songの2曲が特に素晴らしいです。

#9New York Rainの、のっけからワクワクするようなイントロ、
ブリッジのビート感、そして、待ってました!
ミカエルならではの元気になるPOPなコーラスメロディ!
最悪な状況の時は、あとはもう良くなる事しかあり得ない、
というポジティヴな歌詞にぴったりです。

「最近ようやく本物の愛を見つけた」という
ミカエルの思いがたっぷりと詰まった
#12My Final Love Songは、アルバムのエンディングを飾るのにふさわしい、
甘く切ない、ラブバラード。

いつも思うのは、アンディ・マレツェクのGは
ミカエルの曲との相性がぴったりだという事。
特にこの#9New York Rain、#12My Final Love Songの2曲でのプレイが
非常に印象的です。

天駆けるように飛翔し、そして切ない慕情を描く。
音符という絵の具を使用し、
楽曲のキャンバスに絶妙な色使いで彩りを加えていく、
その素晴らしい才能には、毎回、溜め息が漏れます。素晴らしい。

今回もBのナリー・ポールソンが1曲提供。
これがTALISMANぽいギターリフが印象的で、
前作収録のGolden Cageの充実のPOPセンスも鑑みるに、
彼も引き出しの多いソングライターである事が窺えます。
今後の作品での展開が楽しみです。

「Yes」の充実の仕上がりにKOされて以降、
ジェイミーLAD゛もポジティヴに楽しめる私ですが、
やはり、冷涼な哀愁で胸を締め付ける
゛ミカエルLAD゛も恋しいのも正直なところです。

私と同じように゛ミカエルLAD゛を求める向きには、
今回も歯痒い作品かもしれません。

しかし、これほど質の高い作品を
毎年、10年間、欠かさず世に出し続けるが出来た
彼らの素晴らしい才能には、拍手を送らずにはおれません。

マンネリ感を若干感じる部分も、
近作では少々見受けられるのも正直なところですが、
それでも、毎回、新味を打ち出して、
そして必ずこれぞ!という素晴らしい楽曲を収録、
プラマイで帳消しにしてしまう手腕も見事というしかありません。

前作のレヴューで、10周年を機に、毎年リリースを一旦、お休みにし、
これまでのペースを修正のうえ、数年後の充実作での復活を希望しました。
手堅い作品を量産するのではなく、
野心にあふれた傑作を再び生み出して欲しい、と。

その思いは今も変わりません。

10周年来日公演を実現→Best 選曲による集大成LIVEアルバム発表
→新作はお休み、という流れが、一番自然で良いと思います。

Burrn!誌のインタビューでジェイミーから良い提案がありました。
ジェイミーが所属するTREAT、TALISMAN、
そしてジェフ・スコット・ソートとのパッケージでの公演のアイディアです。

私はさらにここに、ジェフ絡みでW.E.T、
そこからECLIPSE、WORK OF ARTも組み合わせたフェス形式での
公演を望みたいです。これら全ては無理にしても、
いくつかを組み合わせて実現させて欲しいです。

このままスタジオアーティストで終わって欲しくないのです。
毎回質の高い作品を創造する彼らの才能に疑いはありませんが、
「飽き」というものから逃れることは出来ないと思います。

「飽き」を回避もしくは打ち消すのがファンの熱い
「思い入れ」というもので、
それはLIVEによるファンとのコミュニケーションによって
醸成されるものと思います。

このバンドには末永い活動を願っています。
そのためには、私は今のスタジオアーティスト然とした
メロディ工房的な活動がベストとは思えません。

せっかくアーティスト側から良い提案が出ているのですから、
レーベル及び呼び屋さんは応えて欲しいです。
出来れば、前回公演時のような、
パワーメタルバンドとの組み合わせではなく。

゛ミカエルLAD゛も恋しいですね・・・

これもBurrn!誌の情報ですが、
ミカエルのソロアルバム構想についての言及が、
さらっとですが、ありました。

実現するなら、このソロアルバムで是非、ミカエルならではの
冷涼な哀愁Tuneの復活を願いたいですね。
贅沢を言えば、哀愁Tuneでのアンディの客演も願いたいです。

大半がレヴューというより、彼らの展望についての、
私の願望のオンパレードとなりましたが、
それだけ彼らへの期待と現状への歯痒さが大きいという事で
ご容赦ください。

と、いう事で、年の初めは、私のプライオリティNo.1のバンド、
LAST AUTUMN'S DREAMの新作レヴューで明けさせていただきました。
滅多に更新しないBlogですが、今年もどうか、よろしくお願い致します!

関連記事:
Nine Lives/LAST AUTUMN'S DREAM
Yes/LAST AUTUMN'S DREAM
Saturn Strikes/LAST AUTUMN'S DREAM
Winter In Paradise/LAST AUTUMN'S DREAM

LAST AUTUMN'S DREAM

The 1/MIKAEL ERLANDSSON
 

LAST AUTUMN'S DREAM 来日公演!!!
<続>LAST AUTUMN'S DREAM 来日公演!!!
祝!LAST AUTUMN'S DREAM 来日公演!!!(↑記事遅過ぎ)

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コメント

あけましておめでとうございます。レビュー待ってました。Yesはめっちゃ好きで聴きまくりましたが、Nine Livesはイマイチな印象でした。今作はそれよりは上。僕としてはそんな感じですね。やはりペースが早いなあと感じます。ライブも観たいですね。

投稿: アミバ | 2013年1月 2日 (水) 18時35分

アミバさん、はじめまして。コメントありがとうございます。今回の作品、私的には満足してますが、では"ジェイミーLAD"の最高峰なのか?と問われればそうではなく、やはりアミバさん同様、YESが一番と思います。LIVEが観たいですね~!期待せずに!?朗報を待ちましょう(^^;滅多に更新しない弊Blogですが、また気軽にコメントしてくださいね!

投稿: KAKEHASHI | 2013年1月 6日 (日) 01時00分

はじめまして!
LAST AUTUMN'S DREAMの記事を中心に、いつも楽しみにしています。
また読みにお邪魔します♪

投稿: ふくだ。 | 2013年1月24日 (木) 20時43分

ふくださん、はじめまして!コメント見落としていました。お返事がすっかり遅くなりました。誠に申し訳ありません・・・!記事、楽しみにしていてくださっているとの事で、感激です!滅多に更新しないサイトで恐縮です。Twitterは1日1回は音楽ネタを中心にTweetするようにしてますので、そちらも、よろしかったら、ご覧くださいね(^^!

投稿: KAKEHASHI | 2013年1月28日 (月) 22時39分

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