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2011年4月18日 (月)

NoGod/欠片

最近気になるバンド2」の記事でご紹介した、

NoGodのメジャーデビューアルバムのレヴューを

してみたいと思います。

Nogod_kakera

2005年、Voの「団長」が「神の啓示」により使徒を集めて結成、
「布教」と呼ぶLIVE活動、曲を「教え」と呼び、ファンを「信者」と呼ぶ、
「新興宗教楽団NoGod」というバンド名・コンセプトで始まったバンドです。
LIVEで団長が使用するマイクは聖書で包まれている形状をしているようです。

インパクトの強いビジュアルも相俟って、聖飢魔IIに通じるコンセプトを
感じますが、音楽性は全く異なります。

L'Arc-en-Ciel がJ-POP的なメロディや音楽的基盤はキープしつつも、
メタルに宗旨変えをし、
時にDREAM THEATER的にユニゾンをかまし、
時にIN FLAMES的にメロデス化し、時にSLIPKNOT的にカオス化し、
時にメロコア化する…という感じです。

とにかく目を見張るのはその印象的でキャッチーな、
メランコリックな味わい、哀愁、爽快感を与えてくれるメロディセンス、
各メンバーのテクニカルな演奏技術、伸びやかなVoというスキルの高さです。

切ないまでの哀愁を帯びたVoのメロディ→シンプルながら切れ味抜群のDrソロ
→フィンガーピッキングの5弦Bソロ→空間系エフェクトGのソロ→全員一丸のユニゾン
→7弦Gソロ→G二人のハーモニーリード→クライマックスに向かう哀愁Vo
…という構成の見事さが圧巻のメジャーデビューシングル
 #8「カクセイ」のPVをYoutubeで見てKOされ、アルバムを購入したのですが、
全曲がとにかく高いクォリティを誇っており、感激しました。

メランコリックなメロディに効果的に絡む
ハードなアレンジと静寂の対比が寂寥感を増幅する #5 慰みの空、
鉛色の雲がどこまでも広がる空を
ビルの屋上からぼんやり眺めながら、
絶望的な世界に思いをめぐらせているような、そんな情景がイメージされる
メランコリックTune #9 果実は嗤う 
の2曲が発散する、強烈な泣きと激情の世界観に、完全に虜になりました。

ダークでスローなGイントロから一転してアグッレッシヴに加速、
まさかのグロウルで幕を開け、さらにコーラスパートで一転、
哀愁のメロディで疾走、Gによる美しいハーモニーソロという
意外性に満ちた構成の #1 鼓動~#2 心臓、
メタリックなリフで押しまくるイントロ~ヴァースから転じて、
語りかけるようなコーラスパートに入る、その対比が印象的なメタルTune
#10 II-懐疑 …というメタル色が特に濃厚な曲も非常に魅力的です。

#7 君がくれた幸せと君に捧ぐ涙 はインスト曲なのですが、  
少々陳腐な喩えですが、黄昏時を思わせる、切ないメロディが秀逸で、
メインメロディ部でのGハーモニーは何度聴いても胸が熱くなります。
そして曲の後半のソロパートの組み立ての素晴らしさには興奮を禁じえません。
年齢がバレるのでアレですが(苦笑)、その昔、J-POPのREBECCAが
「REBECCA IV」というアルバムに収録していたインスト曲、
"光と影の誘惑"が発していたイメージに共通するものを感じました。

この他にもメロコア的なムードでPOPなメロディを紡ぎつつも、
ヴァース部のバックではB.がタッピングを終始展開、
一筋縄ではいかない#6 蝋翼、
グラムなムードと、キャッチーなメロディが印象的な#3 緋キ日ノ誓イ
…と魅力がたっぷりです。

人は何か一つ、信じられるものがあれば、
それを支えにして生きていくことが出来る。
それは必ずしも神でなくても、いい。
自分達の音楽が誰かの支えでありたい。
…それが彼らのバンド名「NoGod」の意味するところのようです。

そんなバンド名の由来からも察せられる通り、
彼らの綴る詩はメッセージ色の強いものとなっており、
時に比喩的に、時にストレートに、その思いを発しています。

そんなメッセージが素直に伝わる青春群像的なJ-POP Tuneが
#4 少年と地図 #11 君に贈るいつまでも消えない詩 です。
スキマスイッチ とかが好きなJ-POPファンにも聴いてもらいたい曲です。

彼らの音楽のユニークな面として、

Nogod_tokuten_pic_3

いわゆる洋楽のHeavy Metalに
日本語を後から載せたジャパメタ、
というよりも、LUNA SEAのもつ
背徳性や耽美性、
L'Arc-en-Ciel のもつ大衆性を主軸に
Heavy Metalをアレンジの一要素として
採り入れた、という印象を受ける点があります。

そしてこのビジュアルです。
このビジュアルから受けるインパクトと
ギミック満載のバンドコンセプトとは
裏腹に、確かな技術に裏打ちされた、魅力的なメロディと音楽性で正々堂々と
リスナーに勝負を挑んでくる姿勢に感銘を受けました。

このビジュアルとのギャップで牙をむく、
獰猛さと哀愁を帯びたメロディが同居する #1鼓動~#2心臓 で
幕を開けるアルバム構成も天晴れです。

最近は「Visual-Kei」として海外でも注目を集め、
日本独自のジャンルとしてその地位を確立しつつあるビジュアル系ですが、
ここにワールドワイドな成功を手中に収めつつある 
Dir En Grey のファンが
周辺バンドとして注目してくれるようなことがあれば、
面白い展開になるかもしれません。

もちろん、こんなにユニークなバンドなのですから、
日本国内でも人気が出て欲しいですが、逆輸入的な人気の流布パターンも
面白いのではないか、と思います。

何はともあれ、こんなに面白いバンドが日本にいたのが頼もしいです。
今後が楽しみです…!

関連記事:
最近気になるバンド2

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