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2006年3月26日 (日)

IN FLAMES 1 ~北欧叙情デスメタル~

IN FLAMESの久々の快作「Come Clarity」にハマっています。
でも、私は何故こんなに、この作品にハマっているのでしょうか…?

Lunarstrain
Lunar Strain /1994

このアルバムを端的に表現するキーワード、
それは「叙情性」「アンダーグランド」です。

前者についてはそのアウトプットをツインリードの旋律と、
バイオリン&アコースティックギターのストリングス、
そして女声に載せて提示される点が、極めて特徴的です。
さらに題材として随所に北欧民謡を用いているのも大きな特徴です。

これらの象徴が#5Everlost(Part1)~#6Everlost(part2)~#7Hargalatenの3連発。
先に挙げた特徴、「叙情性」とその提示方法がいかんなく発揮された、
この作品のハイライトです。#5の幕開けから繰り返される暗く美しいツインリード。
邪悪なVo。アコースティックGに載せてメランコリックな女声Voが響き渡る#6。
ツインリード&バイオリン+チェロの4声ハーモニーによって炸裂する北欧民謡風の
メロディが哀しい#7。美しくも哀しく冷たい、北欧の荒涼とした風景が広がります。

この作品の2つ目のキーワードは「アンダーグランド」。ツインリードの美しさとは
裏腹に、リフパートはSLAYERに代表される、禍々しいハーモニーリフが曲の
根幹をなしています。このリフワークの特徴は作品を追う毎に薄れていくのですが、
この作品ではミカエル・スタンネの邪悪なVoと相俟って、アンダーグラウンドな空気、
「死臭」を放っています。

単に「メロディアスなデスメタル」ではなく、
「叙情的」で「アンダーグランド」な「ヘヴィメタル」。
それが「Lunar Strain」であり、私をIN FLAMESの虜にさせたのです。

Subterranean
Subterranean/1995

「Lunar Strain」で提示した、彼らのもてる魅力に、「キャッチーさ」を付与して
再構築し、さらにパワーメタルへの接近をも見せた、「意欲的過渡期アルバム」。
前作の根幹ともいえる「叙情性」は#2Everydyingの中間部&エンディング、
インスト#4Timelessのアコースティックサウンド、北欧民謡調メロディを奏でる
#5Biosphereのメインメロディパートで、存分に発揮されています。

しかしこのアルバムには新たな萌芽が見て取れます。

タイトルチューン#3SubterraneanのメインGパートから窺えるIRON MAIDENからの
影響が感じられるキャッチーなメロディ。
そしてなんといっても、#1Stand Ablazeです。
暗く美しいピアノの調べから炸裂するリズムイン、そして飛翔するGメロディ。
血の涙を流しながら疾走するハーモニーリフ。一転、「美」を発するワルツパート。
ドラマチックなツインリードの後に突如猛烈に疾走を始めるパワーメタルパート。
AMON AMARTHにも通じる、「戦士のメタル」(笑)と呼んでしまいたい、
極上のカタルシスが得られる、あまりに哀しい名曲です。
めまぐるしく展開をみせ、様々な要素が詰まったこの曲のインパクトは
あまりに絶大であり、後の作品における展開の重要な布石となっているのです。

Jesterrace
The Jester Race/1996

“Stand Ablaze”“Subterranean”で提示された要素を、整合性と制御を伴った
音楽で再構築したといえるアルバムだと思います。
すなわち、IRON MAIDEN的ツインリードによるキャッチーで印象的なメロディ、
「死地に赴く戦士(C:前田 岳彦氏)」の如き、哀しいまでのドラマティシズム、
パワーメタルへの接近、ワルツのリズムの導入です。
一方で従前の叙情性も随所でキープされている、非常にバランスが取れた、
「初期IN FLAMES」の代表作であると、私は考えています。

血の涙を流して疾走する勇壮なドラマティシズムが炸裂し、複雑な楽曲構成でもって
聴き手をねじ伏せる#1Dead Eternity~#2The Jester Raceのインパクトは絶大で
“Stand Ablaze”とともに、初期代表曲だと思います。そしてパワーメタルへの接近を
見せる#6December Flower、#7Artifacts Of The Black Rain、
#10Lord Hypnosis。この3曲でのアプローチは次作「Wholacle」の名曲“Jotun”で
完全に開花を見せることになるのですが、その点で次への布石ともいえる、
重要な位置づけの曲だと思います。ワルツのリズムを伴って叙情性を炸裂させる、
#4Moonshield~#5The Jester's Dance、禍々しいリフワークと叙情的ツインリード
を見せる#8Dead God In Meには前2作の作風がキープされています。
初期IN FLAMESの魅力が全て詰まった名盤であり、
個人的に一番思い入れの強いアルバムです。

ここに、「北欧叙情デスメタル」IN FLAMESの音楽性は完成を見たと、
私は考えています。

関連記事:IN FLAMES 2 ~IN FLAMES型ヘヴィメタル~
       IN FLAMES 3 ~飛翔する「メタル」~

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