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2005年12月24日 (土)

Last Epic/A.C.T

Act32

スウェーデンのメルヘンチック・プログレッシヴ・ハードロックバンド(!?)の、
2003年発表の3rd、目下の最新作です。

このバンドの音楽性はとにかく、オリジナリティーの権化とでもいうかのような、
極めてユニークなもので、近年ここまでユニークな音楽性のバンドも
なかなかいないだろうと思います。例えるなら、ロビー・バレンタイン、ヴァレンシア
のもつメルヘンチック、ファンタジックな部分をさらに際立たせ
(その代わりQUEEN風味は若干弱めて残しつつ)、
2ndの頃のDREAM THATERがプレイしているAOR・メロハーといった趣。
…って書くと、訳わからないですね。
でも、聴いていただければ、きっと納得いただけると思います。

非常にテクニカルなプレイが目立つにもかかわらず、DREAM THEATERの亜流を
聴いているような印象が全くないのは、プレイの細部はプログレ的であっても、
あくまでも「歌モノ」「ポピュラーミュージック」であることを意識の中心に置いて曲を
組み立てているからだと思います。歌メロのキャッチーさ、コーラスパートの配置方法
といったヴォーカルパートの芳醇なメロディはもちろん、楽器隊のプレイもいわゆる
インプロヴィゼーション的なものではなく、メロディアスに練りこまれつつも
テクニカルさとスリリングさも同居した、いわば「歌モノインタープレイ」。
それが顕著なのが#6Dance Of Mr. Gumble 、
#9A Loaded Situationといったインストチューン、そして#8Manipulator
中間部です。テクニカルかつ複雑なインストパートなのに、口ずさめる。
まさに彼らの真骨頂です。

そしてなんといっても「歌モノ」のなんたるかを体現したヴォーカルメロディ。
#2Waillings  From A Builludingの生きる希望を与えられる(笑)メロディ、
#5Tedd’s Balladのモーツァルトのピアノ小曲のような曲構成とメロディ。
#11The CauseのファンタジックでどこかQUEEN的なメロディ、
そしてそこから引き継がれるアルバムのクライマックス、
#12The Effectの持つ、冒険活劇のラストシーンのような感動的なメロディ。
これらを筆頭に、次々と繰り出される、まさしくメロディの洪水。
寸分の無駄もありません。完璧です。

前2作も素晴らしいアルバムでしたが、アルバム構成としてやや未整理な印象も
一方でありました。しかし、今回コンセプトアルバムの体裁をとったことで、各楽曲、
インストパート全てに意味性が持たされ、全体の構成にダイナミックな起伏が生まれ、
結果、ドラマチックで非常にまとまりのよい作品に仕上がっていると思います。
ズバリ名盤です。

1st~3rdまでほぼ1年半程度のスパンで作品を発表してきた彼らですが、
この「Last Epic」リリースから間もなく2年が過ぎようとしています。
早く作品を発表し、「Last Epic」が「極上の叙事詩」ではなく、
「最後の叙事詩」になってしまわない事を願うばかりです。

関連記事:Silence/A.C.T

おしまい。

↓私のHP

ことのはの、かけはし

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「MELODIC ROCK」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
A.C.Tの『Last Epic』最高ですよね。私もこのアルバムを取り上げましたが、『2ndの頃のDREAM THATERがプレイしているAOR・メロハーといった趣』という表現はまさにその通りですね。このアルバム以外のA.C.T.はまだ聴いてませんが、こちらの記事を読んで一層聴きたくなりました。探します。

投稿: noblame | 2006年1月29日 (日) 22時09分

noblameさん、コメントありがとうございます!A.C.Tのこのアルバム、本当にいいですよね。なんというか、「気品」が感じられます。なんとなく、英国の紅茶でも飲んでゆったり聴ける感じ!?です。どうも現在、新作のレコーディング中のようなので、LAST作品にはならなそうです。新作、凄く楽しみですね。彼らの他の作品ですが、是非、まずは1作目を聴いていただきたいです。1作目にして既に確立されている彼らの個性、ユニークさが理想的な形で提示されています。2作目はやや未整理な印象もありますが、やはり良い出来です。プログレでありながらも、芳醇なメロディの質はAOR的である、という意味でMTMレーベルカラーでありながらもちょっと異端。これからもこのユニークさを保ち続けて、素晴らしい作品をどんどん作って欲しいです。

投稿: KAKEHASHI | 2006年1月29日 (日) 23時38分

こんばんわ。
先ほどは私のブログへのコメントとTBをいただきありがとうございました!私の方からもTBさせていただきますね。KAKEHASHIさんの記事、A.C.Tの魅力を非常にうまく表現されておられ、激しく同意しながら読ませていただきました。またお邪魔させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
(追伸)HAREM SCAREMもお好きなんですね!!私も大好きです♪

投稿: りでぃあ | 2006年5月16日 (火) 22時33分

りでぃあさん、コメント&TBありがとうございます!私のガセネタでご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした…!!!どうか、お許しください。りでぃあさんの記事、すごく共感できたのと、彼らの新譜情報を掲載してくださったのが嬉しかったです。りでぃあさんが挙げられているIT BITESは特に凄く共感できます。そういうヒネリと気品がありますよね。↑のnoblameさんへのコメントでも書かせていただきましたが、英国の紅茶でも飲みながら聴きたい感じです(^^;HAREM SCAREMは大好きですね~LIVEも3回程行きました。レコーディング・アーティストではない、「バンド」としての魅力が満載のショウでした。最近来日してくれないのが残念です…。どうか、またいらしてくださいね!

投稿: KAKEHASHI | 2006年5月16日 (火) 23時33分

いえいえ、ホントお気になさらず。あれは「ガセ」と言うよりむしろファンのみんなの「願い」のこもったネタですよね。そしてIT BITESにも共感していただけて嬉しいです♪ところで、HAREM SCAREM、私もライブを何回か観たことがありますが、本当に楽しい素敵なライブでしたよね!A.C.TはもちろんHAREM SCAREMもぜひぜひ来日して欲しいものです。と、記事とは別のバンドの話題を何度もしてすみません(^^;

投稿: りでぃあ | 2006年5月18日 (木) 00時38分

>りでぃあさん
あたたかいお言葉、ありがとうございます!「願いのこもったネタ」、おっしゃる通りです。「ガセ」にしてしまたのは、それを鵜呑みにして他サイトに書き込みしてしまった私です…。反省してます(^^ゞ さて、HAREM SCAREMは本当に大好きなバンドでして、BIG BANG THEORYツアーを札幌で、RUBBERツアーを長野と札幌で、WEIGHT OF THE WORLDツアーを心斎橋クアトロで観ました。りでぃあさんと、クアトロあたりでニアミスしているかな!?クアトロのLiveリポートを稚拙ながら勢いで当時UPしました。よろしかったら、↓ご一読ください!…あれからもう4年か…(^^;

http://www.geocities.jp/coltrane_ballads/hslive.htm

投稿: KAKEHASHI | 2006年5月20日 (土) 11時23分

こんばんわ!またまたA.C.Tの記事ですみません(^^; HAREM SCAREMのライブ記事読ませていただきました!残念ながら私はそのライブには行けなかったのですが、彼らならではのとても楽しいライブだったようですね♪彼らのことだからまたアルバムが出たら来日してくれるとばかり思っていたのですが、もう4年にもなるんですね・・・。こんなことなら無理してでも行くべきだったなぁと激しく後悔しています(泣)。

投稿: りでぃあ | 2006年5月21日 (日) 22時10分

HAREM SCAREMネタ、全くOKですよ。っていうか、むしろ嬉しいです。ここ最近、彼らのネタで誰かと盛り上がるっていうことがなかったので…(T_T)Live記事、読んでいただいて、ありがとうございました。そうなんですよね~Voice Of Reason以降、Weight Of The Worldまで、各アルバムリリース後に必ず来日してましたからね…よもや、Higherで来てくれなくなるとは思いませんでした。主に欧州で健在なのがせめてもの救いですが、やっぱり寂しいですね・・・。またあのプロフェッショナルなLIVEが観たいです。ところで!りでぃあさんのギター、Peteの影響だったんですか!!!なんだか嬉しいですね~(^^ コピーはされましたか?やったなら、どの曲をやりましたか?バンドなど組まれているのですか?よろしかったら、教えてください!

投稿: KAKEHASHI | 2006年5月22日 (月) 23時50分

KAKEHASHIさん、こんばんわ。
私のブログへもコメントいただきありがとうございました!あちらでも長々と語らせていただきましたが(笑)、私のギターはPETEの影響でして、コピーもしたいなぁとスコアを購入してはいるのですが(耳コピは苦手なんです/泣)、恥ずかしながら実際に弾くところまでは居たってないんですよ~。バンドも一応組んではいるのですが、なんせ社会人ばかりなのでなかなか練習日をあわせることも厳しくてここのところは開店休業状態です(涙)。でも、スタジオ入ってでっかい音でギター弾くのってとっても気持ちいいんですよね♪KAKEHASHIさんは、何か楽器は演奏されてますか?

投稿: りでぃあ | 2006年5月24日 (水) 00時46分

おぉ、やはりPeteの影響でしたか(^^ …とか書いてたらMood Swings聴きたくなったので、今聴いてます。うむ、いい音。こういう艶のある音、いいですよね!この当時、本人も認めていますが、TNT等の北欧メロハーに影響を受けていて、サウンド作りも透明感を志向してたみたいですね。Pete今はIBANEZなんですね。どのアルバムからかな…BIG BANG THEORY~RUBBERあたりからかな?スタジオで音出すの、気分いいですよね。しかも、メンバー全員のタッチがぴたりとハマった時の爽快感は、病み付きですよね。えぇ、私も楽器弾きます。私はベース弾きです。へなちょこですが(^^;フェンダー(ただし、ジャパン 汗)のジャズベースです。マイルドな音が気に入ってます。おっしゃる通り、働き出すと、なかなかメンバー同士の時間があわないんですよね…。おまけに最近ベースも触ってない…楽器が泣きますよね(大汗)。バンドではどんな音楽やってますか?

投稿: KAKEHASHI | 2006年5月25日 (木) 01時35分

KAKEHASHIさん、こんにちわ。
ということで(?)、今日は私もMOOD SWINGSを聴きながらコメント書いています。この艶やかなギターと分厚いコーラスがたまりません♪PETEがCAPARISONを使っていたのはBIG BANG THEORYからHIGHERまでのようですよ。ところで、KAKEHASHIさんはベースを弾かれるんですね!!今もバンドはされていますか?私の方は、一応、HM/HR中心でコピーをしているんですが、年に3~4曲しか仕上げていない超牛歩バンドなんですよ~(^^;でも、スタジオででっかい音だしてメンバーの息がぴったりあった時の爽快感がたまらなくて、いい年になってもやめられないのです(笑)

投稿: りでぃあ | 2006年5月29日 (月) 15時03分

りでぃあさん、こんばんは。MOOD SWINGSは名盤ですよね!IF There Was The Timeとかかなり好きです。CAPARISONはBIG BANG THEORYからってことは、多分、Harryもステージで色違いのギターたまにプレイしてましたよね!?私はバンドは全然やってないですね。会社のパーティで何曲かプレイした以来、全然です。あと学生時代、大学祭で何度かプレイしました。懐かしいなぁ…。私は聴く音楽とは裏腹に、J-POP系をステージではやってました(爆)!ミスチルとか(!)、サザンとか(!)、バービーボーイズとかメンバー全員女装してプリンセスプリンセスも(核爆)。お恥ずかしい(^^; RCサクセションはかなりやりました。初めてスタジオで全員で音合わせた時の爽快感は何物にも代え難い感覚でした。またやりたいなぁ。りでぃあさんはオリジナルですか?カバーですか?

投稿: KAKEHASHI | 2006年6月 1日 (木) 00時15分

KAKEHASHIさん、こんばんわ。
亀レスでごめんなさい(^^;
そう、HarryもCAPARISONのギターを使ってましたよ!!
よくお気づきでしたね~♪
ところで、私のバンドはHR/HM中心のカバーばかりで
オリジナルはやってない(できない・・・とも言う)んです(^^;
KAKEHASHIさんもぜひぜひ機会見つけてバンド始めてくださいね。
とっても楽しいですよ~★
(追伸)私も高校時代初めてやったバンドでは、プリプリとかレベッカとかでした(笑)

投稿: りでぃあ | 2006年6月19日 (月) 01時18分

りでぃあさん、書き込みありがとうございます!やはりHarryが使用していたのもCAPARISONだったのですね!りでぃあさんのバンドはどんなのをカバーされているのですか?高校時代はプリプリ&レベッカですか(^^女の子がそうなら、 男はBOOWYかブルーハーツってところでしょうか(^^ って、さて!A.C.Tネタです!いよいよ最新作「Silence」発売しましたね!りでぃあさんは購入されましたか?私はまだです(^^; が、必ず買います! 

投稿: KAKEHASHI | 2006年6月27日 (火) 00時57分

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» A.C.Tもうすぐ新譜発売記念(^^)V [Lydia's Garden]
今日は久しぶりの休みだと言うのにマンションの共用部分の工事とかで 一日中、ガガガガガっとドリルの音が響いておりました・・・ふぅ(泣)。 さて、今日、とりあげまするのは、 スウェーデン産プログレッシブ・メロディアス・ハード・ロックバンド『A.C.T』 (↑こんなジャンル分けあり?っていう突っ込みはなしね) 彼らのサウンドを他のバンドの音で例えて説明すると・・・ DREAM THEATER + IT BITES + JELLYFISH +QUEEN +α   って感じ♪ (↑例えのバンドが... [続きを読む]

受信: 2006年5月16日 (火) 22時21分

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